《 鈴木財務相へ決議文を提出する議員や関係団体の代表ら(5月31日)》
「今、介護分野はこれまでにない危機を迎えている」。
自民党の議員連盟が先週、こう訴える決議文を鈴木俊一財務相へ提出した。来年4月の改定で介護報酬を引き上げることなどを、政府が今月にまとめる「骨太の方針」に盛り込むよう求めるものだ。【Joint編集部】
決議文を提出したのは、自民党の「介護福祉議員連盟(麻生太郎会長)」と「地域の介護と福祉を考える参議院議員の会(末松信介会長)」。
議連は決議文で、光熱費をはじめとする物価の高騰で介護施設・事業所が大きな打撃を受けていること、他業界で進展する賃上げに介護現場がついていけず人材の流出を招いていること、などを改めて説明。「事業継続そのものが懸念される状況。今、介護分野はこれまでにない危機を迎えている」と強調した。
そのうえで、「経営の安定性の確保と十分な賃上げを図るに不足ないプラス改定」を要請。来年4月での実現を「骨太の方針」に明記するよう訴えた。こうした決議文を議連がまとめるプロセスでは、介護事業者らで組織する関係団体が繰り返し働きかけを行ってきていた。
議連はこのほか決議文で、政府が掲げる「異次元の少子化対策」の財源論に言及。「社会保障費の削減で確保するとの案について、介護分野にその余地を見出すことは困難」と指摘した。
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