通所介護の報酬のコロナ特例を維持 厚労省方針 今後の災害時なども加算を適用

  2023/10/31
         

《 社保審・介護給付費分科会|10月26日撮影 》



コロナ禍で利用者が急減した通所介護、通所リハビリテーションを支援するために設けた介護報酬の特例について、厚生労働省はこのまま廃止せず維持していく方針だ。【Joint編集部】

今後も感染症が拡がったり大規模な災害が起こったりして、高齢者がサービスを使えなくなる事態が再び生じる可能性を考慮。26日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、「緊急時に対応できるように存置する」との意向を示した。

対象となる特例は2つ。まずは「3%加算」だ。前年度の平均延べ利用者数と比べて利用者数が5%以上減少した月などに、基本報酬の3%分を上乗せする仕組みとなっている。

もう1つが「規模区分の特例」。利用者数がより小さい事業所の基準に該当するまで減ってしまった場合(例:大規模型I→通常規模型)などに、その小さい事業所の報酬区分をそのまま算定できる措置だ。

* 通所介護の基本報酬は、スケールメリットなどを考慮して規模の小さい事業所ほど高く設定されている。


厚労省は審議会で、こうした介護報酬の特例をこれから実際に適用していく感染症や災害の範囲について、「その状況が発生した場合に、対象となる旨を事務連絡で知らせる」と説明。委員からは、「対象となる感染症や災害は客観的な基準のもとで判断されるようにすべき」との声もあがった。今後、厚労省は緊急時に事業所を支えられる最適な運用方法を検討していく構えだ。

※当記事は掲載日時点の情報です。                       

"介護ニュースJoint引用"