【介護報酬改定】介護予防支援、基本報酬が2種類に 居宅向けの新区分を創設 厚労省方針 単位数の多寡が焦点

  2023/12/14
         

《 社保審・介護給付費分科会|12月11日撮影 》



今年5月に成立した改正介護保険法により、要支援者のケアマネジメント「介護予防支援」は来年度からルールが変わる。

地域包括支援センターの業務負担の軽減などにつなげるため、居宅介護支援事業所が市町村から直接指定を受けて運営を担えるようになる。その基準や報酬などのアウトラインが明らかになった。【Joint編集部】

厚生労働省は11日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で概要案を提示。市町村から指定を受けて介護予防支援を担う居宅介護支援事業所を対象として、基本報酬の新たな評価区分を設ける方針を示した。

地域包括支援センターが算定する既存の単位数より高く設定する構え。現行で1区分の介護予防支援の基本報酬は、これで「居宅向け」と「包括向け」の2種類に分かれることになる。

厚労省は居宅介護支援事業所に対し、介護予防サービス計画の実施状況などの情報を市町村へ提供することを義務付ける考え。市町村が地域の要支援者の状況を把握し、必要に応じて連携をとれるようにする狙いだ。こうした情報提供に要する手間・コストも考慮し、居宅介護支援事業所には新たな評価区分を適用することにした。

重要なのは実際の単位数。介護予防支援の指定を受ける居宅介護支援事業所が増えるかどうかは、その多寡が少なからぬ影響を及ぼすとみられる。

政府は来年度の改定に投入する予算額の規模を年末に決める予定。厚労省の判断はこれに大きく左右される。実際の単位数の公表は年明けとなる見通し。

◆ 運営基準案のポイントまとめ

居宅介護支援事業所が指定を受けて介護予防支援を担う場合について、これまでの審議会で示された運営基準案などのポイントは下記の通りだ。

厚労省は居宅介護支援事業所が従来の体制のまま、無理なく指定を受けられるように配慮した。これらを近く正式に決め、年度内に通知などで細部の規定を明らかにする計画だ。

《 居宅介護支援事業所の指定介護予防支援|運営基準案などのポイントまとめ 》

参考資料=居宅サービス等の運営基準の改正案・介護保険法施行規則の改正案

◯ ケアマネジャーのみの配置で事業を運営できる

◯ 管理者は主任ケアマネとし、支障がない範囲で他事業所との兼務も可能

◯ 一定の要件のもとでオンラインモニタリングを行う場合は、少なくとも6ヵ月に1回は利用者の居宅を訪問する

◯ 市町村から情報提供の求めがあった場合は、介護予防サービス計画の実施状況などの情報を提供する

◯ 指定申請の際に、事業所の名称・所在地など既に提出している事項に変更がない場合は、一部の提出書類を省略可とする

◯ 介護サービス情報公表制度について、居宅介護支援事業所の運営状況として介護予防支援の指定状況を記載すれば足りることとする。


※当記事は掲載日時点の情報です。                       

"介護ニュースJoint引用"