【画期的】診療報酬改定、在宅のICT情報連携を評価 ケアマネの管理スキルもより重要に!

  2024/2/20
         

《 株式会社マロー・サウンズ・カンパニー|田中紘太代表 》



この度、来年度の診療報酬改定の全容が明らかになりました。中医協(中央社会保険医療協議会)が今月14日に具体策を国へ答申しました。【田中紘太】

その中に、在宅医療・介護の連携に関わる加算を新たに創設する方針が盛り込まれました。

趣旨は「ICTを用いた情報連携の推進」。在宅で療養している患者に医師・歯科医師が計画的な医学管理を行う際に、当該患者の医療・ケアに携わる関係職種がICTを用いて記録した診療情報などを活用すると、新たに評価されるという内容です。

新たな加算の名称は「在宅医療情報連携加算(100点)」。“医療・ケアに携わる関係職種”の中には、ケアマネジャーなど介護職も含まれています。

既に在宅医療・介護の現場では、ICTツールを活用して情報連携を行う場面が増えてきています。ただ、私が活動している地域では、半分以上の医療機関がICTを活用した情報連携に消極的と言わざるを得ません。従来通りFAX、郵送などで居宅療養管理指導の報告書が送られ、連絡手段は電話が主となっています。

情報連携の中心となるケアマネジャーには、それらの情報を各所へ伝達・共有する役割があります。FAXや電話で連絡を受けると、やはり情報連携に関する業務の負担も重くなってしまいがちです。

介護報酬改定では例えば、ICTを活用した際の逓減性の緩和がケアマネジャーに認められてきました。ただ、今回のようにICTの活用を実際の点数の上乗せで評価する加算は、診療報酬にも介護報酬にもありませんでした。

今回、訪問診療、訪問歯科診療に加算ができたことで、ICTツールを活用した情報連携を行うよう、医療機関からケアマネジャーへ積極的に勧められるようになると予想されます。ケアマネジャーはもちろん、訪問看護ステーション、訪問介護、デイサービス、福祉用具など全ての介護サービス事業所、医療系サービス事業所が今後、ICTを活用した情報共有に取り組んでいくようになると思われます。

特に、情報の中心となるケアマネジャーには、ICTツール、グループチャットなどの管理が今以上に必要となっていくでしょう。今後、それに対応したスキルアップが求められるかも知れません。

ケアマネジャーに保険点数がつくわけではありませんが、業務の効率化には負担軽減などのメリットが非常に多くあります。今後、ますます不可欠となっていくと考えられますので、私もより積極的にICTの活用などに努めていこうと考えています。

※当記事は掲載日時点の情報です。                       

"介護ニュースJoint引用"