《 障害福祉報酬改定検討チーム|10月11日 》
厚生労働省は11日、来年度の障害福祉サービス報酬改定に向けた協議を重ねている有識者会議で、就労継続支援B型を俎上に載せた。【Joint編集部】
基本報酬の設定を見直したい意向を明らかにし、その際の考え方を提案。工賃の更なる向上につなげる観点から、現行の平均工賃月額に応じた段階によりメリハリをつけてはどうかとした。
就労継続支援B型の基本報酬は大きく2種類。利用者の平均工賃月額が高いほど1日の単位数が高くなる仕組みと、利用者の就労や生産活動への参加などをもって一律に評価する仕組みがある。
このうち、多くの事業所が採用しているのが前者。次の表は、平均工賃月額に応じた基本報酬の段階を例示(定員20人以下、人員配置7.5対1の場合)したものだ。
国保連の昨年12月のデータによると、こうした段階の中で最も多くの事業所が算定しているのは、平均工賃月額が最低の「1万円未満」。この段階は事業所数の伸び率も最も高くなっている。
厚労省は多くの事業所に工賃の更なる引き上げに注力してもらいたい考え。基本報酬の段階によりメリハリをつけ、強めた傾斜をインセンティブにすることを提案した。
このほか、就労継続支援B型の事業所の収支差率にも言及した。2種類の基本報酬のうち、利用者の就労や生産活動への参加などをもって一律に評価する仕組みの方が高いと指摘。「収支差率が逆転している」として、来年度の改定でこれを是正してはどうかとした。
会合で委員から反対意見などは出ていない。厚労省は終了時、こうした方向で具体的な検討を進めていく構えをみせた。
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